NTTドコモ社長の加藤薫氏【拡大】
ドコモのLTEサービスの人口カバー率は11年度末で首都圏や県庁所在地など30%だが、12年度に70%、14年度には基地局2万1000局を設置し、98%とほぼ全国をカバーする計画。
ドコモは、LTEの本格展開への分岐点を人口カバー率70%以上とみており、LTE環境に音声通話を追加することで、FOMAからXiへの移行を加速させたい考えだ。そのためにも、音声通話用端末をできるだけ早めに投入する方針で、13年度中の対応スマホ発売を目指している。
現在、ドコモとイー・アクセスがLTEサービスを提供しているが、KDDIやソフトバンクモバイルも将来はLTE対応音声通話を導入する方針。
音声通話は、現状の3G回線では「回線交換方式」と呼び、通話中は1本の回線を占有する仕組み。LTE規格では音声もデータを小包のようにひとかたまりで送信して受信側で音声に再生する方式のため、回線利用効率が向上するとともに、事業者間で支払う接続料も低下する見通し。高止まりといわれる携帯電話の通話料金が大幅に引き下げされる可能性がある。
通信事業者は「LTE対応音声通話では定額制も導入しやすい」(KDDI幹部)とみており、ドコモも新端末投入と同時に音声通話の料金プランを見直す可能性が高い。(大坪玲央)