日本コカ・コーラは、消費電力が増える日中の冷却用電力をほぼゼロにする「ピークシフト型自動販売機」を開発した。内部の断熱構造などを改良したことで消費電力が少ない夜間に集中冷却、日中に冷却運転を停止しても庫内温度を保てる仕組み。現在、猛暑で知られる埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で実証実験中で、来年1月から全国展開する計画だ。同社はこれまでも自販機の節電に取り組んできたが、今回は「減らす」から「ずらす」に発想転換したことで実現した。
真空断熱材で夜間集中冷却
開発した自販機「A011号機」は、日本コカ・コーラグループと富士電機リテイルシステムズ(三重県四日市市)の「アポロ」と名付けられた共同プロジェクトから生まれた。着手したのは昨年5月だ。
きっかけとなったのが、昨年3月の東日本大震災。夜間も稼働、照明が点灯している自販機に対して石原慎太郎都知事が「自販機はやめろ」と発言するなど風当たりが強くなった。日本コカ・コーラによると、自販機1台当たりの消費電力は300ワットと、エアコン(12畳対応)の860ワットより小さいが、冷蔵庫(容量500リットル)の275ワットより大きい。一方で、企業がサマータイムや輪番操業を導入するなど、消費電力のピークタイムをずらすことへの関心が高まっていた。