津波がすべてを押し流した被災地。目を覆いたくなるような“真実”の光景は、新聞では伝えられなかった=2011年6月14日(早稲田大学早瀬翔撮影)【拡大】
この調査機関は「YouTubeが重要なニュース源の一つとなりつつある」と指摘しており、新たなジャーナリズムが生まれようとしていることが、調査結果からもわかる。
YouTubeが真実を明らかにした事例としては、尖閣諸島沖での中国の漁船による海上保安庁の巡視艇への衝突事件がある。その映像は、政治的な配慮から公開されなかったが、海上保安庁職員が「sengoku38」というハンドルネームで、この動画をYouTubeにアップロードした。この行為の結果、海上保安庁の職員は処罰されたが、国民からは「英雄的行為」とされた。
携帯電話をはじめとするデジタル・デバイスとYouTubeの普及により、誰もが「ジャーナリスト」、つまり真実情報の担い手になることができるようになったのだ。
一方で、YouTubeには、真偽や責任の所在があいまいだという問題点がある。私たちは求めれば、あらゆる情報を手に入れることができるようになったが、それが“真実”であるか見抜く力を持たなければならない。
受け手側が「メディア・リテラシー」(情報を取捨選択する能力)を高めることが、YouTubeが既存メディアの限界を超え、新たなメディアとして広がっていく可能性を高めることにつながっていく。
(上:2-2)意見発信しない「ROM専」たち 高度情報化社会の「矛盾」 に続く