キャタピラーが日米欧に投入するハイブリッド油圧ショベル=16日、米イリノイ州【拡大】
建設機械の米キャタピラーは16日、旋回する油圧ショベルが減速する際のエネルギーをためて、再利用するハイブリッド機構を搭載した油圧ショベルを開発したと発表した。2013年4月から米国、欧州、日本で販売する。
燃費性能が高いハイブリッドタイプの油圧ショベルは、同社では初めて。08年に投入したコマツに続き、日立建機など国内メーカーも追随していたが、世界最大手のキャタピラーの参入で競争に拍車がかかりそうだ。
キャタピラーのハイブリッド機構は本体に内蔵したアキュムレーター(蓄圧機)に減速時に生じるエネルギーを回収し、本体の旋回運動に再利用する。余剰出力をモーターで電気に変換し、再利用する既存の機構とは異なる新しいシステムだ。
まず30トン級の「336E H」に搭載。燃費性能は現行のディーゼルエンジンタイプよりも平均で25%向上する。
価格は未定で現行機よりも割高になるが、燃料代の削減効果と差し引きすれば約1年の稼働で回収できるという。開発担当者は「作業量が多いほど生産性の向上につながると判断し、30トン級への搭載を決めた」と話した。