消耗戦ともいえる値引き競争を続けてきた牛丼チェーンが、「脱デフレ」にかじを切り始めた=東京都千代田区の牛丼店【拡大】
2社が相次いで高付加価値路線を志向するのは、ここ2、3年続いた牛丼の値引きによる集客効果が薄れてきたことが背景にある。
値引きキャンペーンを積極的に展開してきたすき家は、今年9月まで13カ月連続で既存店売上高の前年割れが続く。2月には、新たな誘客策として3商品ずつ順番に値引きするキャンペーンを打ち出したものの、効果は限定的で6月1日で打ち切った。
吉野家も上期(3~8月)の既存店売上高が前期比1・9%減。今夏は恒例の牛丼値引きキャンペーンを行わず、この時期に牛丼よりも10円高い新商品「焼味 ねぎ塩豚丼」(390円)を投入している。
またこの間、米や牛肉、油などの原材料価格が上がっており、「原料高の中で、低価格競争は仕掛けづらい」(吉野家HDの河村泰貴社長)という懐事情もあるようだ。