日本ミシュランタイヤは24日、国内向けの高級自転車ブランド「ヴェロ・ミシュラン」を新たに立ち上げ、第1弾として「パリ・ブレスト」(税込み9万9750円)を200台限定で2013年3月に発売すると発表した。ユーザー層が広がりつつある高級自転車を通じて「ミシュランブランド」を浸透させ、自動車用タイヤの売り上げ拡大につなげたい考えだ。
仏ミシュランはブランドの認知度向上を狙い、レストランガイドブックの発行のほか、衣料品や雑貨などのライセンス事業も展開している。今回のヴェロ・ミシュランもその一環で、自転車専門商社の日直商会(東京都千代田区)がライセンス生産・販売を手がける。
第1弾の製品は、競輪選手などの支持が高い自転車設計者の松田志行氏が手掛けた。素材も厳選して「乗り味の楽しさ」を追求した。日本ミシュランタイヤのベルナール・デルマス社長は会見で「ミシュランの原点は自転車用タイヤだった。新ブランドを通じ『動くことの喜び』に貢献したい」と述べた。
高級自転車を用いたブランド戦略をめぐっては、メルセデス・ベンツ日本(東京都港区)が、一時撤退していた日本での自転車販売を9月に再開した。ドイツから輸入する本格的なモデルだけに約45万円と高価だが、健康やレジャー志向の高まりで「高価格でも受け入れられやすい状況になった」(同社幹部)という。さらにドイツのBMWやポルシェなども参入し、日本の高級自転車市場が活気づいている。
ミシュランも、第2弾以降について「限定車への反応を見ながら投入するモデルなどを検討し、展開を続けていきたい」と意欲をみせている。