同時にサイバー攻撃がどこから攻めてきているのか認識することも重要だ。
例えば、アフリカではインターネット環境が急速に整備された半面、ネット関連の犯罪を取り締まる法整備が遅れ、サイバー犯罪者の温床と化している。犯罪組織がナイジェリアなどに潜伏し、受信側の許諾を得ず一方的に配信する広告メールを駆使し、巨万の富を得たという報告もある。
「遠い国の事例だと感じている日本人がほとんどだが、アフリカからのサイバー攻撃は日本にも向けられている」と海外のIT専門家は警鐘を鳴らす。
ネットの普及で世界中とつながることが可能になったが、その一方でサイバー攻撃という国境線のない“戦争”に巻き込まれる危険性も高まった。
世界が繰り広げるサイバー空間での攻防戦において後れを取らないためにも、日本は国全体で危機感を共有しながら人材育成などの課題を解決することが求められる。
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この企画は、板東和正が担当しました。