超音波診断装置の世界シェア【拡大】
その結果、派遣団に参加した日立メディコが逆転受注をほぼ確実にし、さらにイラク政府から東芝メディカルシステムズもがん検査などに使うCT装置7台(約5億円)、島津製作所もX線診断装置120台(約15億円)を受注する見込みが強まっている。
イラクは戦争の影響で医療施設の整備が遅れており、建設が予定されている30病院の建設費や医療機器などの予算規模は約5000億円に上る。イラクの医療センターには、日本から医師を派遣し、現地の医師に機器の使い方などを指導することで“メード・イン・ジャパン”の普及につなげたい考えだ。
インフラ輸出をめぐり、民主党政権は新成長戦略の一環として、官民挙げて発電所や鉄道などを重視してきた。だが、国際的に評価の高い原発が東日本大震災時の事故で失速し、重点分野を医療機器などにシフト。経産省はイラクのほか、アブダビ首長国などにも医療機器の売り込みをかけている。
自民党も衆院選の公約で、インフラ輸出を経済成長策の一つとして明記。「日本発の革新的医薬品・医療機器の研究・開発を促進」と医療産業の充実も掲げており、今後も医療機器の輸出が加速しそうだ。(会田聡)