海運大手3社は31日、2013年3月期の業績予想を修正した。円安や株価回復で日本郵船、川崎汽船が最終利益見通しを上方修正する一方で、大規模なリストラ計画を打ち出した商船三井が過去最大の最終赤字を予想するなど明暗が分かれた。
商船三井は、業績悪化の要因となっている顧客との長期契約がないフリー船250隻について14年3月末までに70隻減らすほか、石炭や鉄鉱石などを積むドライバルカーなどの保有船をシンガポール子会社に譲渡。これに伴い発生する1010億円の評価損を特別損失に計上。連結最終赤字は過去最大の1770億円に膨らむ。
業績悪化により役員報酬は2~3割、管理職は給与を1割それぞれカットするほか、福利厚生施設の閉鎖など大規模なコスト削減に乗り出し、来期は黒字化する「V字回復を狙う」(青砥修吾取締役常務執行役員)。
一方、日本郵船は当初10億円とみていた最終利益を60億円に上方修正。20億円の黒字見通しだった川崎汽船も100億円に引き上げる。川崎汽船の吉田圭介専務執行役員は「さらなる上方修正も視野に入れている」と述べ、当初無配としていた期末配当計画を未定に変更した。