工場では固定費削減の取り組みも進めた。大型の生産ラインを一気に導入する従来の方式を改め、需要変動に応じて自在に伸縮できるラインを開発。部品製造に使う金型の軽量化、材料のロスを削減できる金属加工技術の開発など自動車生産を細かく見直し、コスト低減を図った。その積み重ねが年3千億円のコスト削減というわけだ。
背景にあるのは、国内外で工場の増強、新設を続けたリーマン直前までの「拡大路線」の反省だ。19年3月期、20年3月期とも単独営業利益は1兆を突破したが、当時の為替は1ドル=110円台。伊地知取締役は「生産増のための設備投資が増え、販売収入の伸びが(減価償却などの)固定費で相殺された。円安での好業績だった」と分析した。