ロスで見つけた「私の音楽」
澄み切った冬空のように突き抜ける高音、パワフルな声の広い音域。「冬の女王」の愛称で親しまれるシンガー・ソングライターの広瀬香美さんは、デビュー20周年を迎えた。現在は日本と米ロサンゼルスに拠点を持ち、両国を行き来しながら作品を発表し、そして音楽学校の校長として後進の指導にも力を入れている。(文・櫛田寿宏)
--米国での暮らしはどんな感じですか?
広瀬 ひどかったんですよ、20年前のロサンゼルスの食料事情は。豆腐は売っているんですが、水気がなくってパサパサ。納豆は粘り気なし。白米もおいしくない。仕方がないので、毎日メキシコ料理のブリトーを食べていました。ブリトーの皮で生野菜を巻いて食べるんです。本当にそれだけ。今はおいしい豆腐も納豆もようかんも手に入ります。この前、ロサンゼルスの友達が「いかしたカレー屋ができた」って言うんです。一緒に行ったら、日本の街角にたくさんある有名なチェーン店でした。そこに行列ができていたんですよ。