石油化学製品の製造工程【拡大】
具体的には、傘下の三菱レイヨンが世界一のシェアを持つアクリル樹脂原料「メチルメタクリレート」(MMA)の製造設備を米国で建設することを検討している。MMAはプロピレンから作るのが通常だが、同社はエチレンから製造する技術も持っているため「それで勝負する」(小林社長)方針だ。
三菱ケミカル以外でも、クラレが14年秋以降、シェールガスを使って接着剤などに使われる機能性樹脂「ポバール」の新工場を米国で稼働させる予定だ。
住化がシェールガスと一線を画すのは「これまでサウジとシンガポールの石化拠点で巨額の海外投資をしてきたため」(業界関係者)との見方が多い。
特にサウジの総投資額は1期計画で1兆円規模、昨年発表した2期計画も5000億円以上。ただ、この投資の成果が得られるのはこれからで、現時点でシェールガスに大型投資はしにくい、との理由からだ。