サイバーダインは千葉工業大学で、災害対策用ロボットスーツの動作実演を報道陣に公開した=千葉県習志野市【拡大】
放射線量が高く高温多湿な環境であっても、ロボットスーツを身にまとえば3~4時間の作業が行える。実際に作業員が主に着用するのは、放射線を遮蔽する「ステンレス製ベスト(胴着)」と、防護服内に冷気を送風する蓄電池内蔵の「クーリングシステム」だ。
これらの総重量は最大で60キロに達するが、腰と膝の関節動作を補助する「駆動ユニット」を付けるため、重量の負担をほぼ感じない状況で作業が行える。
胸には、作業員の心拍数や体温などを常時計測するセンサーを取り付ける。計測データを無線で管理センターに送信する仕組みで、作業員の負荷を遠隔監視する。仮に体調維持が困難な作業員が特定された場合、現場から引き揚げるように管理センターの担当者が指示を出す。
ベースとなった技術は、身体障害者の自立動作を支援する「ロボットスーツHAL(ハル)」。このロボットスーツの制御技術や機構を改良し、災害対策用に仕上げた。