林野庁による衛星携帯電話の調達をめぐり、ソフトバンクグループが1円で入札していたことが17日までに分かった。東日本大震災後、官公庁や企業などで非常時の通信確保手段として衛星携帯の需要が高まっている中、KDDIも1円で入札していたことが既に判明しており、大手通信事業者による極端な安値攻勢が市場競争をゆがめかねない事態となっている。
衛星携帯の政府調達では、KDDIが北海道、東北、関東の各森林管理局で昨年末から今年2月にかけて1円入札を繰り返して落札。一方、ソフトバンクテレコムは、四国森林管理局の衛星携帯37台のうち30台の調達案件に1円で入札し、落札した。
ソフトバンク側は「通常、通信費用から割り引く形とし、端末を実質0円で販売している」と説明している。
公正取引委員会の山本和史事務総長は2月27日の会見で、KDDIの1円入札について「不当廉売に該当するのではないかという問題も含め、独占禁止法上の問題になる場合は必要な調査を行っている」としている。