パナソニックがプラズマテレビ事業から撤退を検討していることが18日、わかった。液晶テレビに押され競争力を失ったため、尼崎工場(兵庫県尼崎市)でのプラズマパネルの生産を早ければ2014年度にも終了する方向だ。同時に姫路工場(同県姫路市)の液晶パネル生産も縮小し、外部から安価なパネル購入を増やして収益の改善につなげる。テレビの中核部品であるパネルを自社で生産する「自前主義」から脱却する動きが、日本メーカーで広がってきた。
「尼崎で生産したプラズマパネルで世界展開を推進する」。09年12月、尼崎工場で3つめとなる新しい生産棟の完成式で、パナソニックの幹部はこう胸を張っていた。
プラズマパネルは液晶に比べ技術的に大型化に優れるとされ、当初パナソニックは薄型テレビは「40インチ以上はプラズマ、それ以下は液晶」ですみ分ける戦略だった。
だが、液晶の技術革新が進み、60インチ以上の液晶パネルも生産できるようになる。中小型から大型まで幅広く品ぞろえできる液晶に対し、基本的に40インチ以上の大型に商品が限られるプラズマは次第に押されていく。米調査会社のNPDディスプレイサーチによると、12年のプラズマの世界シェアは出荷台数ベースで6%弱と、液晶の約87%に大きく水を開けられている。