北米で計画されているシェールガスの大量生産は、シェール由来のエチレンが安価に大量生産できることを意味する。ナフサ由来のエチレンを製造するのに比べ、コスト競争力で圧倒的な優位に立つ。その結果、ナフサの生産が縮小し、それに伴いナフサ由来の化学品の不足が懸念されている。
シェールガス革命の台頭や石化市場の縮小をにらんで、国内でナフサ由来の石化生産設備の生産撤退、縮小の動きが早くも出ている。住友化学は2月、次期定期修理を迎える2015年9月までに千葉工場(千葉県市原市)のエチレン製造設備を停止すると発表。三菱ケミカルホールディングス(HD)は傘下の三菱化学鹿島事業所(茨城県神栖市)のエチレン製造設備2基のうち、1基を14年に停止するとともに、米国でシェールガスを使った化学プラントの建設を計画している。