みずほ信託銀行も、みずほ銀行と共同で2月中旬から首都圏など計約40カ所で相続関連セミナーを開催し、昨年より参加者は2割増えた。みずほ銀行の管理職に信託業務の研修を3カ月間行った上で支店に再配置するなど、みずほ銀行の顧客の囲い込みに必死だ。
一方、大手行も信託ビジネスを本格化。三井住友銀行は2月下旬から遺産整理業務の取り扱いを始めた。昨年8月以降、東京と大阪で試験的に導入したところ、高齢者だけでなく、一部相続人が遠方に住んでいたり、多忙で相続手続きができない人にも需要が高かったという。手数料が最低150万円かかるため、富裕層の獲得を見込む。
りそな銀行は、来月以降に発売する教育資金贈与信託の新商品をグループの埼玉りそな銀行と近畿大阪銀行の店頭でも扱う方針。グループ計約600の支店網があり「窓口の少ない信託銀の需要をつかむチャンス」と意気込む。
今国会で審議中の税制改正は、相続税の課税対象は現在の4%から6%に広がる見込み。第一生命経済研究所によると、高額資産保有世帯の上位5.3%が家計の総資産(2556兆円)の25%を保有し、節税の需要を見込む資産は640兆円(うち60歳以上は476兆円)にのぼる。教育資金贈与の非課税措置は、高齢者にかたよる個人資産の世代間移転にもつながり、アベノミクスの経済活性化の目玉となりそうだ。