ソニーは1日、平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)ら役員約40人の今年度の賞与を全額返上することを明らかにした。2013年3月期の連結決算でテレビなどのエレクトロニクス事業の黒字回復が見込めず、責任を取る。
賞与を返上するのは、ソニー本社の執行役と業務執行役員の全役員のほか、エレクトロニクス事業のグループ会社の役員。執行役の全額返上は2年連続だが、グループ会社役員も含む賞与返上は創業以来初めて。
平井社長は昨年4月の就任後、業績不振の原因となっている同事業の黒字転換を明言したが、13年3月期も赤字となったもようで、平井社長が報酬委員会に役員の賞与の返上を申し出て了承された。返上により役員の年収の3~5割が減り、総額で数億円の人件費のカットとなる。ソニーは人員削減や工場閉鎖などのリストラ策を進め、13年3月期の最終損益は5年ぶりに黒字を達成する見通しだ。