ニューヨーク外国為替市場で円安が進行し、円相場は4年ぶりに1ドル=100円の大台を付けた=10日午前、東京・東新橋の外為どっとコム(矢島康弘撮影)【拡大】
日銀が4月4日に異次元の大規模金融緩和を決めて以降、外国為替市場で加速した円安は4月に2度、節目とされる1ドル=100円目前に迫った。100円の壁を前に足踏みしていた円安が今回「3度目の正直」となった背景には2つの要因がある。
「画面がワープするような動きで、慌てた」
10日午前2時過ぎ。胸騒ぎがして目を覚まし、ニューヨーク外国為替市場の円ドル相場の動きを自宅で確認していた三菱東京UFJ銀行のある為替ディーラーは、99円台後半から一気に100円40銭に急落した値動きに目を疑った。前日の午後9時半に発表された米新規失業保険申請件数の結果は就寝前に確認したが、ここまでの円安の急進は予想していなかったという。
この時間帯は、ちょうど償還期限30年の米国債の入札結果が好調だったことが判明。「生命保険会社など日本の機関投資家が購入に動いた」との観測が急浮上し、先高感からドルを買い戻す動きが強まり、買いが買いを呼ぶ展開となった。