長期金利の動向は、日銀の政策判断の焦点の一つに浮上している。22日の債券市場は、長期金利の指標となる新発10年債の終値利回りが前日より0.005%高い0.885%となり、長期金利は緩和策導入前の0.5%台と比べて高止まりしている。市場では今後も金利の一段の低下は難しいとの見方が強く、日銀の思惑通りにいくか不透明だ。
日銀の緩和策は、金利をさらに下げて個人や企業がお金を借りやすくすることで、景気を上向かせる狙いがある。黒田東彦総裁は22日の会見で「緩和が進めば金利低下の効果は出てくる」と述べ、自信を示した。
だが、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「緩和前の金利水準には下がらない」とみる。金利が下がれば運用利回りを重視する地銀や生保が国債を買い控え、国債の需給バランスが崩れるためだ。上野氏は日銀が大規模緩和を継続しても金利は0.65~0.95%にとどまると指摘する。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「金利低下とインフレ期待の上昇は両立しない」と指摘。年内の金利を0.6~1%と予想する。日銀の大規模緩和は金利の1%以上の上昇を抑える効果があるものの、日銀が2年程度での2%の物価上昇率目標を掲げていることで金利の先高感が緩和効果を上回り、一段の金利低下は困難という。