合意文書に署名する国際石油開発帝石の北村俊昭社長(右)とロスネフチのセチン社長=29日、経済産業省【拡大】
国際石油開発帝石(INPEX)とロシア石油最大手の国営会社ロスネフチは29日、ロシア極東マガダン州沖のオホーツク海で海底油田の共同開発に向けて取り組むことで合意した。日本側が権益の約3分の1を取得する見込み。日本とロシアがオホーツク海で共同で資源開発を行うのは極東エネルギー開発事業「サハリン1」「サハリン2」以来で、日本は原油調達先の多様化で安定調達と価格交渉力の引き上げを狙う。
開発対象はマガダン州の沖合50~150キロに広がる「マガダン2」「マガダン3」の両鉱区。水深100~200メートルの大陸棚にあり、鉱区面積は約2万8000平方キロに及ぶ。INPEXによると、これまで両鉱区では石油や天然ガスの埋蔵量調査は行われていないが「地形などからみて有望なエリア」という。
ロスネフチのセチン社長とINPEXの北村俊昭社長が同日、経済産業省内で合意文書に署名した。ただ最終合意に向けて交渉中のため、INPEXは開発スケジュールや生産開始時期は現時点で未定としている。