クラゲが襲来した関西電力姫路第1発電所(兵庫県)の取水口=昨年7月ごろ【拡大】
2012年度はミズクラゲが大量発生し、8月11日に赤穂発電所1、2号機(兵庫県赤穂市、出力計120万キロワット)が停止。年度を通じて63件の停止・出力抑制を余儀なくされた。11年度(0件)、10年度(2件)と比べ、明らかな「異常事態」(関電幹部)となり、現場は混乱した。
今年度はまだ大量発生の兆候はみられないが、既に4月29日と5月1日に南港発電所がクラゲ被害に遭い、いずれも30万キロワットの出力抑制を起こしている。
漁業情報サービスセンター(東京都中央区)は「ミズクラゲは栄養分が高いなどの条件がそろえば全国どこでも大量発生しうる」としており警戒が必要だ。
東京電力や中国電力などの火力発電所でも防止網や集塵機などを設置し、クラゲ襲来に備えている。
関電の今夏の供給余力は、大飯原発3、4号機を含めても3%にとどまり、安定供給に最低限必要な水準しか確保できていない。発電所のトラブルとクラゲの大量発生が重なれば電力不足に陥りかねない状況だ。八木誠社長は「(故障)リスクは高まっており、需給に不安な面がある」と危機感を募らせている。