このように新店が目指すのは買い物以外の目的でも来店者が長く楽しめる滞在型の施設だ。このため全体の約4分の1を売り場以外のスペースに割いた。近鉄百貨店の飯田圭児社長は「1人当たりの滞在時間は今は70分だが、新本店では2時間に拡大したい」と意気込む。
大阪の百貨店は増床や開業が相次ぎ、既にオーバーストアが指摘されている。さらに百貨店業態を取り巻く環境も変化している。
ネット通販の拡大などの影響で百貨店の売り上げは年々減少。日本百貨店協会によると、平成24年の全国の百貨店の売上高は、ピークの3年に比べ約3分の2に縮小している。飯田社長も「物を所有することへの欲求度合いが若い人を中心に減っている。百貨店も物を売るだけではやっていけない」と分析。そこで新本店で充実させたのは、非物販スペースだ。カフェやレストランのほか、幼児教室や貸菜園など従来の百貨店にはなかったフロアを設置。「これまで百貨店に足を運ばなかった人に来てもらう仕掛けに心を砕いた」(飯田社長)