サムスン電子は2011年、ソウトウエア、デザイン、サービスの強化を打ち出し、ソフト開発などに関連する人材獲得に力を入れた。新規獲得人材は海外の現地採用者を中心に約3万2000人に達するという。
ところが今、この人材から離職者が相次いでいる。
中央日報によると、その原因は(1)連続する夜勤や業務のプレッシャー(2)上司の命令に服従を求められる韓国企業特有の「しごき」(3)過程より成果中心の異質な企業文化への不適応-などがあるという。
強みの即決に陰り
サムスン電子の抱える課題は次世代分野への移行の停滞だ。発光ダイオード(LED)、太陽光事業、コンピューター断層撮影診断装置(CT)を含む最先端医療機器、バイオテクノロジーによる医薬品開発への資本投下を加速させてきたが、どの分野も苦戦。「即決が強みだったヒト、モノ、カネの選択と集中にためらいが出ている」(サムスン元役員)。