訪日客増加に向けた共同行動計画を示す関係省庁・団体の幹部ら=20日、東京都千代田区の国土交通省【拡大】
観光庁や日本貿易振興機構(ジェトロ)、経済産業省、日本政府観光局(JNTO)の4省庁・団体は20日、訪日外国人を増やすための共同行動計画をまとめた。安倍晋三政権が日本の成長戦略の一環で掲げる「訪日客2000万人」の目標達成に向け、4者は日本の魅力的な文化・産業を海外へ情報発信する政府戦略を一体化し、訪日客を増やしていくための政策効果を高める狙いがある。
今回、4省庁・団体がまとめた行動共同計画は、早ければ5年後の2018年をめどに訪日外国人数を13年目標の倍の2000万人にするため、外国人を日本へ呼び込む誘客戦略を“オール・ジャパン”の体制で実現させる姿勢を示したものだ。海外からの観光客増加による消費拡大で、日本経済の活性化につなげる思惑も働く。
具体的には、ジェトロが推進する「インベスト・ジャパン(対日投資促進事業)」を踏まえ、観光関連を軸に海外企業の誘致を進めて、訪日外国人が日本を訪れやすい環境を整える。
また、K-POPや韓流ドラマで先行する韓国の取り組みも参考に、経産省の「クール・ジャパン」戦略に基づき、日本のテレビ番組などの情報コンテンツを海外へ発信する支援事業などを行う。
番組などを通じて世界各国で日本ブームを巻き起こすことで訪日客を増やし、観光庁の「ビジット・ジャパン」戦略につなげるイメージを描く。
4者の連携具体策の第1弾として、中国・上海の伊勢丹で20~23日に「日本観光展」を開催。日本酒の試飲や鉄道ジオラマ展示、三味線演奏などとともに関連した日本旅行を紹介するイベントを行うことで、中国人の訪日需要を開拓する考えだ。
JNTOの松山良一理事長は「外国人観光客数で日本は発展途上国。日本のファン層を増やす連携策を行い、『いつか行きたい日本』ではなく『今行きたい日本』へ変えたい」と話す。