鍵握る次世代LTE
ただ孫社長がクリアワイヤの完全子会社化にこだわるのは、スプリント再建のためだけではない。クリアワイヤが今後のサービス開始を表明した通信規格「TD-LTE」は、ソフトバンクが子会社のワイヤレス・シティ・プランニングを通じて日本で提供しているものと同じ。現在各国で一般的なLTEとは異なる方式だが、狭い周波数を有効活用できる時分割多重処理技術が特徴。世界で標準化が進む「次世代LTE」の基盤技術に採用される可能性もある。
そうなれば日米でTD-LTEを展開するソフトバンクグループは、最大毎秒1ギガビット以上の超高速データ通信を目指す「次世代LTE」で主導的事業者となり得る。契約数7億件と携帯最大手の中国移動通信もTD-LTEを採用しており、最大市場への参入も視野に入る。クリアワイヤを抱え込むことで「世界制覇」の“大ボラ”も現実味を帯びてくる。