しかし、諦めることはありません。商品の内容を伝達する名前で商標権をとることができる裏技があります。それは、造語を作ることです。造語にすれば、商品そのものではなくなり有名でなくても登録を受けることができるのです。造語を積極的に採用する企業で有名なのが小林製薬です。例えば、「熱さまシート」の商品名は、熱を冷ますシートであることを伝達することができる名前です。また、「ブレスケア」の商品名は、息をケアする食べ物であることを伝達することができる名前です。「熱さまシート」も「ブレスケア」も小林製薬の営業努力もありますがヒット商品となっています。また、商標権を持っているため他人が同じ名前の商品を出すことができないのです。
商標権を取ることを勧めるのは、商品が売れたとしても商標権がなければ同じ名前の便乗商品が出てきて、売り上げが下がってしまうからです。努力しても便乗商品が出てくることでブランド力が下がってしまっては面白くありません。そのため、売れる商品名を考えたときには商標権をとってブランドを守ってほしいのです。
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【プロフィル】富澤正
とみざわ・ただし 1980年、愛知県出身。知財コンサルタント、コスモス特許事務所の弁理士。2012年、自ら知的財産を生かしたベンチャー企業を設立、「資格合格箸」などのアイデア発明品を製造販売する。発明を生み出す技術と知的財産の知識から、企業の知的財産関連の仕事も担う。