セメント協会が25日発表した6月のセメント販売高は、東北地区が40万9329トン(前年同期比24.1%増)、東海地区が37万9026トン(同0.7%増)で、統計を取り始めた1950年以来初めて、東北地区が東海地区を単月で上回った。東日本大震災の被災地で復旧工事が本格化し、需要が急増しているため。
4~6月の国内販売高は1093万3000トン(同6.9%増)で、前年同期より70万2000トン増えた。2013年度の国内需要見通しは前年度より140万トン多い4600万トンだが、4~6月だけで増加分の約半分をすでに確保した。
同協会の気仙伊作流通委員長(宇部三菱セメント副社長)はこの日の会見で「東北の伸びは予想の範囲内だったが、九州や近畿などの災害復旧工事や公共事業、首都圏などでの民間の再開発工事もかなり活発化している」と指摘。供給体制を強化するよう業界に呼びかけていく考えを示した。