メリル氏のグーグルでの経験が、膨大な情報に基づいてスマートな決定を下す方法を編み出す上で大いに役立ったことは言うまでもない。この仕組みを理解するために、グーグルの地図機能「グーグル・マップ」がアップルの地図機能よりも優れている点を考えてみよう。
それは、ユーザーに対して目的地までのルートを示すとき、単に地図データを基にルート選択をしないところだ。グーグルは、過去に勧めたすべての履歴と、ユーザーが実際にどのような選択を行ったかに基づいて、次の提案を考えている。
ユーザーの実際の行動履歴を考慮することでお勧めを教えてくれる機械は、時とともにより多くの行動データを蓄積することによって、ますますスマートになっていく。
ゼストファイナンスもそれと同じように、将来的なデータの蓄積がよりスマートな貸し付け判断に結びつくと考えられる。彼らの資金調達額の理由はそこだ。この市場の勝者は、すでに決まっているようだ。ビッグデータ処理の経験を積めば積むほど、ゼストファイナンスのはじき出す回収率予測はより正確になっていくだろう。
◆プライバシーの問題
ゼストファイナンスの主な収益源は明らかではないが、おそらく発行されるローンの額に応じて何割かを業者から得ているのだろう。消費者金融にとってこれは悪い話ではない。
ゼストファイナンスのアルゴリズムが正しければ、彼らはより低いリスクでもっと貸し付けができるからだ。ただ、消費者にとってはあまり喜べることではないかもしれない。このリスク評価システムは、単に貸し付けを承認するか否かを決定するだけでなく、1万もの変数に基づいてローンの金利を決定する材料にもなる。