しかし、システム内に潜伏し、一見正常に作動しているように装いながらパソコンの操作状態や画面を監視する「スパイ型」ウイルスが登場。金融機関やネット取引業者などからメールで送られてきたワンタイムパスワードをこっそり“盗み見”し、悪意の第三者に送信している疑いがあるという。
警察庁によると、ネットバンキングの不正送金被害は今年1~7月で398件、被害金額は約3億6000万円にのぼり、これまで最悪だった平成23年の165件、約3億800万円をすでに上回っている。
ウイルスの被害が急増したのは昨年の後半。セキュリティー大手トレンドマイクロの調査では、ウイルスに感染したパソコンの大半が日本に集中しているという。日本国民の預金が狙われているのだ。
お金は返ってくるのか
盗られたお金は銀行から戻ってくるのか。結論からいえば、銀行への請求は可能だ。ただ、全国銀行協会(全銀協)の申し合わせによるもので、法的な根拠はない。