サティス製薬の研究室で原料を抽出するスタッフ=埼玉県吉川市【拡大】
国産原料を使用した化粧品のOEM(相手先ブランドによる生産)を主力とするサティス製薬(埼玉県吉川市)は、毛髪の保護機能と洗い流しやすい特性を両立した植物由来原料を開発した。原料を配合したシャンプーを通販化粧品メーカーに供給し、製品化後1年間で1億2000万円の売り上げをめざす。
シャンプーに利用されている「シリコーン」は毛髪の表面をコーティングし滑らかな指通りを実現する利点を持つ半面、付着性が高いため髪表面に過剰に蓄積するといった問題などが指摘されていた。こうした中でシリコーンを敬遠する消費者が増加しているが、ノンシリコーンシャンプーの使用感に対する不満の声も多く、頭皮環境の健康と高いコーティング性能を同時に実現できるシリコーン代替原料の登場が望まれていた。
そこで開発したのが今回の植物性原料で、さまざまな植物由来油脂の中からパーム油やナタネ油などの4種類を選んだ。その最適な組み合わせによって、シリコーンと同等の毛髪保護機能を発揮する。
カギを握るのが、東京・伊豆大島で育ったヤブツバキから採った無添加で良質なつばき油で、枝毛を防止し毛髪に柔軟性を付与する。シリコーンのような蓄積問題を心配する必要もない。