【ビジネスアイコラム】発送電分離 地方に安定供給の不安 (2/2ページ)

2013.10.11 05:00

 九州各地を回っていると、こうした声をよく耳にする。九州だけではない。大都会を離れ、地方に行けば「こんなところにまで」と思えるような場所にも電線が張られ、人々の生活を支えていることが分かる。それでも経済産業省は地方の現実には目をつぶり、発電と送電を分離する電力システム改革を推し進めようとしている。これまでも改革はたびたび議論されてきたが、東京電力福島第1原発事故に端を発して再浮上。先の通常国会では電力システム改革を推進するための電気事業法改正案が廃案となったものの、政府は15日召集の臨時国会で再び提出する予定だ。

 そもそも電力システム改革の目的は(1)電気の安定供給確保(2)電気料金の最大限の抑制(3)需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大-とされる。だが、発送電分離を導入すればその目的は達成されるのか。

 電力向け受変電設備などを手掛ける正興電機製作所(福岡市博多区)の土屋直知会長(68)は「電力自由化の議論からは当事者の電力会社も、電力系統に詳しい人も外されている。発送電分離を導入した米国では電気代が高騰し、欧州では電力会社が外国企業に買収される事例も出ている」と発送電分離の問題点を指摘。「儲けだけを考え、供給に責任感を持たない事業者が参入する。コストも上がるし、一番困るのは消費者だ。発送電分離は将来に禍根を残す」と警鐘を鳴らす。

 政府は発送電分離の目標を2018年から20年に置いている。あと7年程度で十分に議論し、分離後にも安定供給できる未来像を描けるのか。東京五輪で日本中が沸いた後に、地方から電気が消えるようなことがあってはならない。いま、政府に求められるのは禍根を断つことだ。(産経新聞西部本部副本部長 遠藤一夫)

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