シンガポール航空(SIA)がインド航空市場に攻勢をかける。印複合企業タタ・グループの持ち株会社タタ・サンズとの共同出資により、機内食の無料提供などの付帯サービスを完備する航空会社を設立することで合意した。現地紙トゥデイなどが報じた。
新航空会社の資本金は1億ドル(約98億円)で、タタ・サンズが51%、シンガポール航空が49%を出資する。ニューデリーを拠点に国内線を就航させた後、国際線への運航を目指す意向で、すでにインドの外国投資促進委員会(FIPB)に会社設立の申請をした。インド政府は昨年9月、航空分野での外資の出資比率を49%まで認めている。
SIAのゴー・チュン・フォン最高経営責任者(CEO)は「最高のサービスを提供することで、新たな需要拡大を図りたい」と意欲を示した。
インドの航空市場は今後成長が見込まれるが、格安航空会社(LCC)の台頭もあって競争が激化、加えて燃料価格の高騰などで航空各社は苦しい経営を強いられている。現在、国内の主要7航空会社のうち、黒字を計上しているのはLCC最大手インディゴのみで、新規航空会社の事業展開に注目が集まりそうだ。(シンガポール支局)