◆内装の弱み克服
トヨタ車は品質、価格など合理的な条件ではすぐれているが、内装やスタイルが弱みといわれてきた。しかし、レンツは「それが章男社長によって克服されつつある」と強調する。豊田が「(この4年間は)平時では学べないことを多く学んだ時期だった」と話すように、苦難の連続が前例にこだわらない新たな試みを打ち出す背景となっているのは間違いない。
「トヨタに30年以上勤めているが、ここ3~4年の変化は大きい」。こう話すレンツ自身も、実はトヨタの歴史の中で初めて北米本部長に就いた米国人だ。修羅場がトヨタを変え、その効果が如実に表れ始めつつある。
13年3月期連結業績では、本業のもうけを示す営業利益は1兆3208億円と前年度の3.7倍に達し、5年ぶりに1兆円の大台を突破。リコール問題で苦しんだ米国市場も急回復している。
◆地域密着の体制
北米を中心とする先進国市場を担当する「第1トヨタ」を率いる副社長の小澤哲(さとし)は、同部門の役割がトヨタの“屋台骨”を果たすことにあると明言する。新興国市場は事業拡大に向けて大きな投資が必要で、それを支えるのが第1トヨタの使命という。
そのためにも北米、欧州では現地での開発・調達を進め、地域に根ざした体制を目指している。それが持続的な成長の基盤になるというわけだ。
「再びリーマン・ショックや1ドル=80円を切るような円高になっても利益を出せるようにしたい」。小澤の目標は明確だ。=敬称略
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■トヨタの米国販売台数の推移(万台)
年 台数
2007 262
08 222
09 177
10 176
11 165
12 208
13(予) 220