近鉄系のホテル・旅館で発覚した食材偽装問題で、奈良市の旅館「奈良万葉若草の宿三笠」で「和牛」と表記しながら使われていた豪州産牛肉の成型肉に、アレルギー物質の乳、大豆、小麦が含まれていることが2日、分かった。
運営会社の近鉄旅館システムズによると、アレルギー物質が含まれていたのは、10月から販売を始めたお子様ランチ「バンビ御膳」の一品として提供された「和牛ステーキ」。実際は成型肉で、納入時の段ボールに貼られたシールにも「原材料の一部に乳、大豆、小麦を含む」と書かれていた。
異なる部位の牛肉を混ぜ合わせた成型肉は、つなぎ成分として乳などが使われることがあり、アレルギーの人は注意が必要とされる。しかし、同社はアレルギー被害の調査をしていなかった。
一方、「三笠」の前料理長が「大和肉鶏(やまとにくどり)の唐揚(からあ)げ」の提供を始めた平成23年4月当時から、別の産地の鶏肉と認識していたことも判明した。その後もメニュー表示を変えずに放置しており、意図的に偽装していた可能性が高まっている。
旅館側は当初、大和肉鶏を使うよう前料理長に伝えていたが、前料理長は「納入が遅い」として支配人ら経営陣に伝えないまま「京地鶏」に変更。約1年後には納入業者も変更し、ブラジル産の鶏肉に変えた。前料理長は「まずいという認識がなかった」と説明しているという。