ファッションにも影響
大多さんの初プロデュース作品は「君の瞳をタイホする!」(昭和63年)。当時、他局でもTBSの「男女7人夏物語」(61年)、日本テレビの「ハートカクテル」(62、63年)など都会的な男女の恋愛を描いたドラマはあった。しかし、その種のドラマをたたみかけるように連続で放送したのはフジが最初だった。「フジが連ドラでヒットを量産したことで『トレンディードラマ』という一つのジャンルが生まれた」とみる。
トレンディードラマは音楽の使い方も変えた。それまで器楽曲中心だったのを、「東京ラブストーリー」ではここぞという場面で小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」を繰り返し流した。以後のドラマでこの手法は定番化する。
さらに月曜9時に多くのトレンディードラマを放送したことで、「月9(げつく)」という呼称が定着し、ブランド化。ロケ地にはカップルが集まり、劇中に登場した服にも問い合わせが相次ぐなど、ファッションにも影響を及ぼした。