栃木県ではシャボン玉が飛び出すなど多彩な演出の「とちぎわんぱく公園からくり時計」が人気となり、石川県では「キリコ」と呼ばれるご神灯の中で海ぼうず、鬼、幽霊の3体が太鼓をたたく「御陣乗(ごじんじょ)太鼓からくり時計」が県知事賞を受賞した。
からくり時計にとどまらず、地元・和歌山ではクジラがガソリンスタンドの天井を貫くという、ダイナミックなデザインのモニュメントを考案。捕鯨文化の和歌山ならではの「鯨油」とガソリンを結びつけるという“小技”が光る。
◆年1つのペース
からくり時計を作る際は、駅舎の完成予想図などを参考に地元の特産品や伝統芸能を織り交ぜ、風景に足りない要素を盛り込む。年に1つのペースで作る作品は20を超えた。
人形の腕に着衣が巻き込まれないか、音楽と人形の動きが合っているか。「からくりは勝手に動く部分があってはいけない」と佐々木社長。設計通りの動きを見せて初めて成功だ。
九州新幹線が全線開業した2011年3月、停車駅のJR筑後船小屋駅(福岡県筑後市)前に国の天然記念物・大楠の木をモチーフにしたからくり時計が完成した。大きな葉の陰から、名物の船小屋温泉につかる夏目漱石などが現れるデザインに。「生い茂り伸びていく木と同じように、町が成長していってほしい」との願いが込められている。
「文字盤があるとからくり時計だとわかってしまう。文字盤を消して、見る人を『あっ』と驚かせるようなからくりを作りたい」と夢を膨らませながら、「『からくり時計屋さん』にはなりたくない。ストライクゾーンを狭めず、さまざまなモノ作りに挑戦し続けたいんです」と語った。(地主明世)
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