中でも好調なのは自動車や建設向けだが、JFEホールディングス(HD)の馬田一社長は「造船でも(円安効果は)実感できる」と指摘する。造船業界も円安を追い風に海外勢に対する価格競争力が回復、造船向けの厚板需要も戻りつつあるからだ。円高下で取り組んだコスト削減効果も加わった。
一方、海外メーカーが置かれている環境は厳しい。アルセロール・ミタルは今期の利益見通しを引き下げ、ポスコは7~9月期の営業利益が前年同期比47%減った。世界的な供給過剰への対応ができていないからだ。新日鉄住金が時価総額で世界トップに立つなど躍進する日本メーカーとは対照的に、海外メーカーの凋落(ちょうらく)ぶりが目立つ。
だが、日本メーカーも今の好環境がいつまで続くか分からない。中国の粗鋼生産は月間6500万トン程度。2カ月で日本の今年の生産量見込み(約1億1000万トン)を超える。この驚異的な生産能力が慢性的な東アジアの需給ギャップを生み出している。