ただ、その間に子供服市場は様変わりした。ユニクロ、しまむらなどの国内勢に加えて米GAP、スウェーデンのH&M、スペインのZARAなど海外のファストファッションが安さとデザインを武器に参入。この荒波にのみ込まれ、13年2月期の売上高は約62億円とピークの5分の1に落ち込み、最終赤字は19億6800万円に膨らんだ。
商品在庫を担保に金融機関から資金を調達。さらに、同じ投資ファンド下で再建中だった旅行代理店に在庫の一部を売却すると同時に、販売委託を受けて再販売する苦肉の策で資金調達を図ったが、取引先への支払いもままならない状態に陥った。
破産申請の当日、パート販売員470人を含めた従業員564人は即日解雇された。4月からスポンサーを探していたが、販売網やブランドの事業価値は想定以上に低く、実現しなかった。(東京商工リサーチ)
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【会社概要】フーセンウサギ(10月中旬現在)
▽本社=大阪市中央区
▽設立=1951年7月
▽資本金=5億5379万円
▽従業員=パートを含め564人
▽事業内容=ベビー服や子供服の製造・販売
▽負債総額=約29億4000万円
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〈チェックポイント〉
少子化が直撃する子供服市場では、需要の熾烈な争奪戦が繰り広げられている。ただ、少子化だからこそ子供1人当たりにかける金額は増えているとの指摘もある。実際、高級ブランドの子供服などが人気を集め、独自路線で伸びる企業もあるだけに「少子化による業績悪化」は弱者の論理になりかねない。
価格やデザインなどで消費者の選択肢はますます広がっている。同時に勝ち組、負け組の格差も進んでいる。製造小売り(SPA)や外資参入で競争が激化する中で、いかに消費者に選ばれるか。老舗企業さえ淘汰されていく国内アパレル業界は、正念場が続いている。(東京商工リサーチ取締役情報本部長 友田信男)