韓国の婚礼などで夫婦の絆として置物とされている木彫りの雁。北海航測の矢橋温郎(はるお)会長(79)は、この雁を韓国内で20年間にわたり収集してきた約140羽を韓国・慶山市の大邱大学校に寄贈する。
矢橋会長は「二十数年前に韓国に出張で訪れたときの古物商で雁を見つけ買ったのがきっかけで集め始めた。1年に2~3回、訪韓していたので古物商、骨董屋に頼みコレクションした」と部屋一面にならんでいる。
来年、会社が創業50周年を迎えるために、この木彫りの雁を生まれ故郷の韓国に返還する。たまたま大邱大学校の南星姫(ナンソンヒ)学長とは親睦があり、同校に寄贈して展示されることになった。
この木彫りの雁を置く風習は現在では、ほとんどなくなった。100年ほど前までは、結納や婚礼の儀式の時に、新郎が新婦のために、自ら木彫りの一対の雁を新婦の母親に敬礼としてささげて、夫婦の絆を強めたといわれている。年明けから宅配便で贈られる。
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