国内製薬最大手の武田薬品工業は30日、長谷川閑史(やすちか)社長(67)の後任に、英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)から外国人社長を招請すると発表した。武田にとっては初の外国人社長の起用となる。
新社長に就任するのは、GSKグループのワクチン社の社長などを務めるクリストフ・ウェバー氏(47)。武田はまずウェバー氏を最高執行責任者(COO)として招請。ウェバー氏は来年4月までに武田に入社、6月の定時株主総会などでの承認を経て、武田薬品の社長兼COOに就任する予定。長谷川社長は、会長兼最高経営責任者(CEO)に就任する。
武田は海外売上高が5割を超えるなど、グローバル化が進んでおり、執行役員に当たるコーポレート・オフィサー11人中7人が外国人となるなど、人材も国際化が進んでいる。
長谷川社長は社長兼CEOに就任して11年目。26日に大阪市内で記者団の取材に応じ、これまで「日本人が望ましい」としてきた後任人事について、「あらゆる選択肢を除外できない」などとして、外国人を後任とする可能性を示唆していた。