新日鉄住金は11月30日、ドイツ鉄鋼大手のティッセンクルップの米国鉄鋼会社(アラバマ州)を、欧州アルセロールミタルと共同で買収すると発表した。買収額は約15億5000万ドル(約1585億円)。買収後に両社が折半出資する合弁事業を立ち上げることで合意した。来年中ごろまでの買収完了を見込む。
米国での自動車向け鋼板の供給能力を拡大するのが狙い。買収する工場の生産能力は年200万トン。これにより、新日鉄住金としては国内の自動車鋼板生産量(800万トン)に対し、海外の生産量(900万トン)が上回る計算となる。
ティッセンクルップは2010年に同工場を稼働させたが、経営が厳しく、売却先を探していた。
記者会見した樋口真哉副社長は「近郊に日系の自動車メーカーが多く、顧客がしっかりあることが最大のポイントだ」と話し、短期間での黒字経営に自信を見せた。