寒さが厳しくなる師走を迎え、保温力の高い機能性肌着の商戦が激化してきた。量販店の1000円前後の低価格品が市場を拡大する中、今年はスポーツ用品や女性用下着大手が機能性を高めた付加価値商品で本格参戦し、品質重視の消費者を中心に売り上げを伸ばしている。今冬は平年よりも寒くなるとの気象庁予報とは対照的に、販売競争はさらに熱を帯びそうだ。
一昨年にインターネット限定販売され、ひそかに売れ続ける肌着がある。スポーツ用品大手ミズノの「女子のブレスサーモ」だ。
昨年は生産した2千枚が即完売。今年は店頭販売を始めたが、9月の販売開始直後には予約が殺到、販売目標を昨年比2・5倍の5千枚に引き上げた。特に人気なのが腹巻き一体型の「ハイウエストハーフスパッツ」(3150円)。「腹部を保温してくれて使い勝手が良いと好評」(同社)で、一部商品は品切れ状態が続く。
スポーツ用品大手では、アシックスも独自開発の吸湿発熱機能素材を採用した肌着「モーションサーモ」(3150円)を今年10月に発売。デサントは光を吸収し熱を作り出す蓄熱保温素材「ヒートナビ」を採用した商品数を昨年比2%増の82万点で展開するなど、昨年以上に力を入れる。
一方、冷え性になりやすい女性をターゲットに攻勢をかけるのは女性用下着大手。女性の悩みに対応した独自商品が支持され、ジワリ存在感を高めている。ワコールの「スゴ衣 思いの丈」(3780円)は縦横自在に伸縮して元に戻りにくいニット素材を採用。好みの長さに調整でき、洋服に合わせた柔軟な着こなしに対応した。
ピップと共同開発したトリンプ・インターナショナル・ジャパンの「マグネセレブ」シリーズ(2100~5040円)は、生地に付けた磁石の力で血行を改善して凝りを和らげ、さらに遠赤外線を発する鉱石の粉末を練り込み保温機能を高めたユニーク商品だ。
合成繊維が主流となるなかで、グンゼは綿を65%混ぜ込んだ「ホットマジック 綿混パイル調」(1575~1890円)で対抗。生地を起毛させ肌と生地の間に空気層を作ることで保温性と着心地を高めた。(西村利也)