■ブルームエナジージャパン 産業用で初号機稼働
ソフトバンクと米ブルームエナジー(カリフォルニア州)が折半出資で設立したベンチャー企業、ブルームエナジージャパンは、11月25日に産業用燃料電池システム「Bloom(ブルーム)エナジーサーバー」の国内初号機を稼働させた。
初号機は福岡市内にあるソフトバンクが所有するオフィスビルに設置。米国以外の設置は初めて。大きさは幅約9.1メートル、高さ約2.1メートル、厚さ約2.6メートル。重さは約20トン。出力は約200キロワットで、設置したビルの消費電力の約75%を賄えるという。投資額については明らかにしていない。ブルームエナジージャパンでは今後、出力200キロワット以上の燃料電池システムを売り込む考えで、三輪茂基社長は「今後3年間で計最低3万キロワット以上の設備導入を目指す」と意気込んでいる。
同社の燃料電池システムは固体酸化物型とよばれるタイプで都市ガスを燃料としている。燃料から水素を取り出し、化学反応させて発電する。発電効率は高く60%を超えるという。
普及の課題は導入コスト。産業用燃料電池の普及が進んでいる米国でも1キロワット当たりの導入コストは40万~60万円台とされ、一般的な火力発電と比べると2~3倍も割高とされる。
電力価格は発電量1キロワット時当たり最大28円程度になるという。シェールガスなどの輸入でガス料金が下がれば発電コストは下がるが、電力会社の産業用電力料金と比べると依然、割高。普及拡大にはコストダウンが求められそうだ。同社では持続的な電力の安定供給や非常用電源としての利便性の高さなどを訴え、クリーンエネルギーの普及促進につなげたい考えだ。