【Monday i. インタビュー】リピーターが来るツアー作りを (1/2ページ)

2013.12.16 05:00

 □JTBコーポレートセールス霞が関第一事業部・毛利直俊副事業部長

 --被災地の観光事業を手がけている経緯は

 「東北地域全体の旅行需要を喚起しようと、観光庁が昨年度に手がけた事業『東北観光博』に協力したことがきっかけ。独自の観光資源を洗い出し、訪問しやすいようツアーを作るなど観光客を誘致してきた。最近は岩手県宮古市、宮城県気仙沼市など津波の被害が大きかった沿岸部に力を入れている」

 --手がけてきたツアーは

 「気仙沼市で8月、多くの漁船が一斉にサンマ漁に出る『出船』の見送りをメーンにした1泊2日のツアーを行った。元漁師による漁の解説、語り部による震災経験、旅館の女将(おかみ)たちとの交流、そして海の幸を堪能するなど好評だった。11月には酒蔵見学ツアーで、地酒を瓶ごと海中に沈めて熟成させる『海中貯蔵』を体験。1年後に引き上げて試飲するツアーを計画中。気仙沼はサメの水揚げも多く、フカヒレだけでなく、身を『ソウルフード』として食べてもらう工夫ができないかと地域とともに考えている」

 --観光客を誘致するには

 「ポイントは『食と人』。産業振興に近い部分もある。地域の人たちは、自分たちの仕事がほかからどう見えるのか気づいていない。震災で改めてクローズアップされた被災地で、埋もれていた観光資源を掘り起こして、見るだけでなく体験できる工夫をする。地域の人との交流があれば、また訪ねようと思ってもらえる。単発ではなく長く続く定番とし、リピーターができるツアー作りが肝心だ。今後は修学旅行の誘致も進め、防災学習など震災の教訓を学習するような観光にも発展させたい」

 --震災遺構の活用は

 「気仙沼では、津波で内陸に打ち上げられた大型漁船『第18共徳丸』が撤去された。『見たくない、津波を思いだしたくない』という人が多いのも事実。後世に残すべき震災遺構は、保存に向けた官民の取り組みが始まりつつあるが、まずは地元の合意形成が先。地域での復興の芽生えを首都圏からの交流拡大につなげることで、震災の記憶の風化防止に取り組みたい」

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