即席麺事業の合弁会社設立を発表する味の素の伊藤雅俊社長(右)と東洋水産の小畑一雄社長=18日、東京都千代田区の帝国ホテル(佐久間修志撮影)【拡大】
味の素と東洋水産は18日、ナイジェリアとインドで合弁会社を設立し、両国で即席麺事業を展開すると発表した。両国で調味料を販売する味の素の販売・マーケティング力と東洋水産の開発力によって、成長著しい両国での市場開拓を急ぎ、発売から10年後にはそれぞれの国で約5億食の販売を目指す。
工場などの設備投資は両国とも約10億円を見込む。出資比率はナイジェリアは味の素が、インドは東洋水産が51%で、もう1社が残る49%分を出資する。両国統一の新ブランドを立ち上げる計画で、ナイジェリアでは2015年度に全土で販売開始を目指す。インドでは16年度に南部から販売を初め、地域を順次拡大するという。
東洋水産の小畑一雄社長は記者会見で「重要なのは商品競争力と展開のスピード」と強調。すでに販路を持つ味の素と組むことで「スピーディな市場獲得が可能」と勝算を口にする。味の素の伊藤雅俊社長は「(東洋水産は)競争厳しいアメリカ、メキシコで開発力、生産技術を発揮している」と話した。
成長市場のアジアやアフリカには国内の即席麺大手も相次いで進出しており、競争が激しくなりそうだ。