トレンド社はパソコンで架空の船が周囲に複数あるとする偽の信号を作製し、無線機に接続。特定の周波数に設定した上でAISシステムに送信し、水難事故の発生信号も送信できた。架空の船を大量に発生させたとする偽情報を送ることでAISを利用できない状態に陥らせることも証明された。
トレンド社は「パスワードなど認証システムなくAISに情報を送信でき、サイバーテロに備えた構造ではない」と指摘。衝突の危険性がある船の情報を意図的に送信し、操船を妨害するサイバーテロに悪用される恐れがある。海事局や海上保安庁などはすでにトレンド社の実験情報を共有した。
海事局によると、船舶には周辺の船の位置を確認できるレーダーが搭載され、操縦者の目視も安全性を担保しており、AISが乗っ取られた場合もただちに操縦に危険は生じない。
ただ、業界関係者は「AISは航海を支援する肝。偽情報が流れただけで操縦者をパニックにする恐れがあり、操縦に致命的に影響しかねない」と指摘している。