新日鉄住金と技研製作所は20日、都市部での道路の側壁や河川などの護岸工事用に使われる壁体について、鋼矢板と鋼管杭(くい)を組み合わせて作る新工法を共同で開発したと発表した。
新工法は「コンビジャイロ工法」と呼ばれ、止水性に優れた鋼矢板と、剛性の高い鋼管杭を組み合わせる。
もともと旧住金で行っていた鋼矢板と鋼管杭の組み合わせに、先端に爪のついた鋼管杭を地盤に回転しながら圧入する工法を応用して開発した。回転圧入の工法は旧新日鉄と技研製作所で持っていた技術で、新日鉄と住金の経営統合により生まれた技術だという。
この工法だと振動や騒音が少なく、排土がほとんど発生しない。また狭い場所での施工も容易に行える。地盤に支えられた粘り強い構造となることも特徴という。
コンクリート製の壁体に比べて、材料と施工費を合わせて1割程度安くなるといい、今後、関係各所に向けて幅広く提案し納入を目指す方針。