コンビニエンスストアやファストフード店などが、みんなで分け合う「シェアメニュー」の商品を強化している。家族や仲間でワイワイ食べるパーティーなどでの利用を見込んでいる。販売期間を限定している商品が多いが、売れ行き好調で期間を延長するところも出ている。
ファミリーレストランのロイヤルホストは10日から来年3月まで、仏アルザス地方の郷土料理「タルトフランベ」を全国228店舗で販売する。薄焼き生地に乳白色のチーズや赤タマネギ、スモークベーコンなどをトッピングした、ピザのような料理だ。
同社がサラダ以外でシェアメニューを出すのは初めてだが、担当者は「取り分けられるメニューの提供により、心の通った食事の雰囲気を演出できる」と、利用拡大に期待する。
日本マクドナルドは、マックフライポテトLサイズの2個分という「シェアマックフライポテト」(490円)を販売する。当初は9月から10月までの限定販売だったが販売好調で期間の延長を決めた。同社は家族連れ用メニューの強化を打ち出しており、シェアポテトも「家族でわいわい食べるというシーンにぴったり」(広報)とPRする。
立ち食いフレンチレストランで話題の「俺のフレンチ」監修の「モンブランプリンケーキ」(500円)を17日から販売しているのは、コンビニエンスストアのサークルKサンクス。個食対応が主流のコンビニには珍しい、数人で分けるタイプで、パッケージを箱形にするなど、贈答用にも対応している。
シェアメニューの広がりについて電通総研の大屋洋子研究主幹は「今までコンビニやファストフードを利用しなかったシーンでの来店が見込めるほか、物珍しさから高い口コミ効果も期待できる」と分析している。