通常、人が腕を動かしたいと思ったときは、まず脳で考え、指令を筋肉に伝え、腱をひいて動かす。筋電義手では、脳で考え指令したときに筋肉が収縮するときに発生する微弱な電気信号をキャッチ、それを義手に伝えることで腕を動かす。同チームでは高額な筋電義手を安価にするために3つのアプローチを行った。
まずは、電気信号のキャッチにスマホを活用。腕に付けたセンサーとスマホをブルートゥースで接続し、動きをHandieに指令する。従来は高額な専用の機器を使っていたが、スマホを使うことで価格を抑えられるという。
◆モーター数を削減
次にモーターを除く全ての部材を、3Dプリンターで作れるように設計した。通常、義手を作るには金型などを用いていたが、義手は量産するような製品ではないため、生産費用が高くなってしまっていた。
3つ目は、モーターの数を大幅に少なくした。従来の筋電義手は手の動きを再現するため、指の関節の数だけモーターを搭載していた。
「指1本につき、3つの関節があるため、片手だけで15個のモーターが必要になる。Handieではリンクとバネを使った独自の機構により、モーターは6個しか搭載していない。でも、缶を握るなど単純な動きは十分再現可能だ」(山浦博志氏)
審査員を務めたデザインエンジニアの田川欣哉氏、フリージャーナリスト・コンサルタントの林信行氏も登壇した。
「今回初めてJDAの審査員を務めたが、審査をすることで私自身勇気づけられる思いだった。非常にレベルの高い作品ばかりで、若い世代にマインドやスキルがあることがよくわかった」(田川欣哉氏)